全国的に見ても、薬剤師の数がかなり不足傾向にある東海地方。関東地方と関西地方にはさまれているうえに大変便利な交通網に恵まれているため、人材がほかの大都市へ流 れてしまう傾向が強いようです。

ではそんな東海地方の中でも愛知県の薬剤師転職事情はどんな特徴があるのでしょうか。

大都市として知名度も抜群な上に人口も多いはずなのに、薬剤師不足が懸念される県のひとつとして挙げられてしまっている愛知県。これはなぜなのでしょう?

今回初めて愛知県で働こうと考えている人も、愛知県のメリット・デメリットを活かして上手に転職活動を進めていけるように、詳しく対策を練っていくことが肝心です。

 

愛知県内での薬剤師の人数について

愛知県の人口10万人あたりの薬剤師の数薬剤師とひとことでいっても、雇用される施設はさまざまな種類があります。 大きく分類すると、薬局や病院・診療所といった医療施設、そして大学、研究所などの研究 施設です。

その中でも薬局で働く薬剤師の数は161,198人と薬剤師の雇用先の中では最も多く、次点に 続く医療施設勤務の薬剤師の数は54,879人で薬局勤務の約3分の1。この人数からも、薬局 での雇用人数が薬剤師業界の中でどれだけ膨大な雇用数を占めているのかが分かります。

では、東海地方の中でも愛知県内での薬剤師人口はどれくらいいるものなのでしょう? 全国の総薬剤師数は288,151人。そのうち愛知県内の薬剤師数は14,056人(2014年調べ)。 人数だけ言われても多いのか少ないのか、これだけではよくわかりませんよね。

人口10万人あたりの薬剤師数ランキングが47都道府県中第37位という愛知県。 薬局・医療施設に従事する人の数は全国の平均値が170.0人なのに対して、愛知県では149.1人。

平均よりも20人以上(!)も少ない結果が出ています。 名古屋という大都市を有し、人口も多く交通の便もかなり恵まれているはずなのに、なぜ こんな結果が出てしまっているのでしょう? 少し掘り下げて考えてみたいと思います。

愛知県で「足りないのは薬剤師」ではなく、「飽和状態な薬局数」

まず愛知県内の薬局数に着目してみましょう。2011年度の薬局数は2,985施設。全国平均が 1,166施設。2011年以降も薬局数は右肩上がりで増加している状態なので、現在ではこれ以上 の施設が年を経るごとに誕生している状態です。

では、先程の薬剤師数を思い出してみてください。県内の薬剤師数は14,056人でした。人数 だけで見てみると、この人数は全国で5位にあたり、決して薬剤師数が少ないわけではない、 ということが分かっていただけると思います。(同じ東海地方の隣県は3,000~7,000人)

さて、ここで同じ東海地方にある他の県にも目を広げ、薬局数を見てみましょう。 岐阜県では976施設、静岡県で1,702施設、三重県で745施設。そして愛知県2,985施設。

いかがですか? 愛知県内に薬局がどれだけ多いのか、数字の上とはいえ実感できたのでは ないでしょうか。そしてこれだけ薬局があれば、いくら県内での薬剤師の人数が1万人を超 していたとしても、慢性的に人材不足に陥ることの原因になってしまうと思われます。

愛知県内で仕事を探すメリットって?

クリップボードを持つ笑顔の女性本来ですと大都市の転職デメリットとして、大規模な施設や魅力的な案件は多数あるけれど 応募人数が多くなりすぎてなかなか転職がうまくいかない、というジレンマが挙げられると ころなのですが、愛知県ではちょっと異なります。

大幅に薬剤師が不足しているわけですから、企業はとにかく人材が欲しいわけです。つまり 職を探している人にはスタートから転職しやすい環境が整っていることになりますよね。

施設数の多い薬局を例に考えても、やはり名古屋周辺の募集には人は集まりがちなので、 都市部の薬局の求人では多少の倍率の上昇は存在するでしょう。その場合はそこから少し離 れた地域にある薬局にも選択肢の幅を広げてみてもいいのではないでしょうか。

愛知県は交 通網が発達しているので名古屋以外の地域でも移動がしやすい、という点は大変大きな利点 として捉えることができるはずです。そしてそういう地域の施設のほうが、人を集めるために 都市部よりも高額な給与を提示していたり、なにかしらの好条件を挙げていたりするものです。

もしその条件が自分の転職条件と一致するようなら、それこそまさに転職の好機です。

以上から見て、大都市でありながら人材不足の愛知県内で薬剤師の転職を考えるのは、かなり 有益なように思えます。多数ある転職サイトから自分好みの企業を見つけ出すのは大変かも しれませんが、ぜひよりよい企業と出会い転職を成功させてください。